島ぐらし郷土料理紀行

長崎の離島「壱岐」に郷土料理修行してきました。今は東京と島を行ったり来たりしつつ、東京の人に郷土料理を通して壱岐を知ってもらおう活動中。 職人堅気な渋い親父さん、チャキチャキの女将さん、東京から島に嫁いだ若女将と、東京っ娘akk^o^の活き物語りです。毎日いろんな旨い物や人々との出会いと発見があります。

グルメお取寄せ - 壱岐もの屋

震撼させる一皿

グルメな皆さんは料理に感動すること、ままあると思います。
思わず微笑んだり、目がキラキラしたり、ワクワクしたり・・・
そして心温まりますね。

昨日私は衝撃的な体験をしましたよ。

その場にたった瞬間、震えが走り、なぜだか眼に涙がたまり、ハッとした時にはのぼせ上がったと思ったら立ちくらみがしてしまいました。

正確に言うとレストランに居たわけではありません。
『武相荘−夏〜次郎と正子の暮らし展』−次郎と正子の食卓−

omoya.jpg
ここは町田市能ヶ谷にある旧白州次郎邸
東京の田舎にある農家を30年かけて、その時の暮らしに合わせて改築していった茅葺き屋根の邸宅です。

その主であり、骨董収集家で美食家だった白州夫婦の食卓が再現された企画展での出来事でした。(屋内の撮影厳禁なのは残念です。)

まず眼に飛び込むのは元牛小屋の土間だったところを改装した居間にあった一家の食卓。古い革張りのソファに囲まれ、重厚な机を飾っていたのは、サフランライスと「ピペラード」というフランス料理。古いティファール鍋にトマトと茄子に挟まれた半熟卵が食欲を旺盛にさせるよ。

また囲炉裏部屋には、直径1mはある朱塗大膳(江戸末期)に、エナメル彩ガラス鉢のフルーツ寒天を涼しげに立って待っているガラス氷菓子器の数々。

明治時代の木製こね鉢に盛られたサラダ・ニソワーズ。

その他、無類の骨董収集家である婦人が足を運んで集めた数々の器に、料理が飾られており(料理はすべて蝋模型です。)、ただの所蔵品を見せるだけの博物館的な展示ではなく、夫婦の息吹きが感じられる空間でした。ご夫婦がその席にいるような。

なんだ、食べもんじゃないじゃん。

と言わんこつ。
その空間、器、食べ物、すべてで一つの料理だったのです。

確かにここまで感傷的になるのは、もうその家にも器にも料理にも主が居ないからなのかもしれません。長年愛でていたそれらには魂が入り込んでいて、そして私に涙させたのかもしれませんね。

震撼させられた皿には、魂が宿っていました。
今も生き続けている料理です。

日時: 2007年07月27日 10:37

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shimagurashi.com/mt/mt-tb.cgi/631